リハトレ博士のブログ

介護予防現場に幸せをお届けする営業マンのリアルな日記

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認知症高齢者 列車事故訴訟

   

皆様、こんにちは。

梅のつぼみも大きくなり開花時期を今か今かと待ち望んでいるようです。

春はもうすぐですね。

 

さて、マスコミにも大きく取り上げられましたが、今月初めに愛知県で発生した認知症高齢者の列車事故の

判決が出ました。

家族に対し損害賠償を求めたJR東海に対し、最高裁が出した答えは家族の監督責任は問わず請求を

棄却するものでした。

事故は2007年に発生。当時91歳の男性は同居する妻と近隣に住む長男の妻のケアを受けながら自宅で生活。

徘徊によって線路内に入り込み、電車と衝突し死亡。男性は当時要介護4でした。

JR東海側は列車輸送に損害を与えたとして、同居する妻と長男に損害賠償を求め訴訟。

裁判では家族の監督義務が争点となり、一審では妻と長男に、二審では妻のみに監督義務があるとして

賠償責任の判決が下りました。これに対し家族、JR東海ともに判決を不服として上告。

最高裁では、二審で監督義務者と認定された妻(当時85歳)に対し精神保健及び精神障害者福祉法や

夫婦の協力及び扶助の義務を規定した民法によっても、男性(夫)を監督する義務を負う者に

当たらないとしました。

また、当時妻は要介護1で長男の妻にケアを受けながら生活していた状況から、監督義務者に準ずる者でも

ないと示しました。

長男についても20年以上認知症の男性と同居しておらず、事故直前の時期も月に3回程度男性宅を訪ねていた状況

から、監督義務者に準ずべき者に当たらない、として二審の判断を指示した形になりました。

認知症認の方が起こす事故に対し、家族を監督義務者と認定しなかった判決は、

認知症介護を行っている家族、関係者へは大変意義のあるものだったと言えますが、

場合によっては監督義務者に準ずると認定されるケースもあるようです。

今回の問題は列車事故での損害賠償と言う大きなニュースとして取り上げられましたが、

実生活の中では徘徊による行方不明や車両事故などニュースならない多くのも問題が起こっています。

国が在宅ケアへ舵を切っている今、自宅で認知症高齢者をどうケアしていくのか、どう予防していくのか、

社会全体の大きな課題と言えます。

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